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2007年05月29日

農政エキスパートの自殺

S45.jpg 28日正午、テレビの臨時ニュースで松岡農水相が議員宿舎で自殺をはかったと報道された。自殺した松岡農水相は「農林族」議員として農政のエキスパートの役割をしていた。その松岡氏はこれまでも献金などをめぐる疑惑が後を絶たず、マスコミの間では疑惑のコンビニという有難くない名前までもらっていた。ともかく「行動派」で「剛腕」で鳴らす松岡氏は、過去に鈴木宗男衆議院議員のあっせん収賄事件で贈賄側の「やまりん」から200万円の政治献金を受けた件、福岡市のコンサルティング会社の関連団体からの献金、農林建設業界から幅広く政治資金を集めた件、最近では事務所費・光熱水費の高額計上した問題いわゆる「ナントカ還元水」発言、そして今回の緑資源機構の官製談合事件など、あげればきりがない。まさにスキャンダルが多いことでは政治家の中でも1位、2位を争う人物であったようだ。確かに松岡氏は農林水産族としてはエリート中のエリートで、農林水産行政においては抜きん出ており、安倍首相もそれを期待して農林水産相に任命したようだ。確かに松岡氏は大臣就任後、首相の期待に答えるべく日本食のブランド認定制度の導入や、農地集約による大規模農生育地プランなどを発案し、先ごろ来日した中国・温家宝首相との対談では中国への米輸出再開を実現したり、農政のエキスパートとして手腕を発揮した。また、農業団体を相手に堂々と渡り合い行政を説得できる政治家は、松岡氏をおいていなかったようだ。「クリーンと思った人にも裏切られることもある。しかし、政治家として行政に手腕を発揮している人間は必要だ。まさに政治決断だ」と総理は述べた。

 今回の自殺の一報を聞いて誰しも思ったことは、政治の世界というのは一寸先は闇、いつ足をすくわれるか分からないということだ。それでも打たれ強い人は生き残りしたたかになるのである。その意味から言っても松岡氏は打たれ強いと思っていた誰しもが、自殺という結末には驚いたようだ。では、なぜ自殺にまで追いやられたのか。政治記者の記事を総合すると、松岡農水相周辺へのヤミ献金を供述し特捜部に寝返った関係者が出たため、緑資源機構の談合事件は公正取引委員会の行政処分で終わる予定だったが、急きょ事件化してしまったためのようだ。そのため通常捜査が行われるのは7月の参議院選と思われていたが、特捜部が動き出したため松岡農水相もどうすることも出来なく、自殺という悲しい結末となってしまったようだ。冥福を祈るばかりである。しかし、日本の社会は死者に鞭を打たないのが麗しいと考えられており、自らの死によって真実を闇に葬ろうとするやり方とそれを良しとする行政は、我々国民にとっては決してプラスにはならない。国民の政治不信を取る為にも真相を解明してきちんと決着を付けて欲しいものだ。この日、松岡農水相が運ばれた病院には、入院していた人気ポップスグループ「ZARD」の坂井泉水さんの急死と相重なったのが何かの因果かもしれない。
参考資料:産経新聞 月刊FACTA 読売新聞 日刊現代 より

世相シリーズ(45)

投稿者 drnakashima : 2007年05月29日 19:25

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